宮城・仙台・若林区六丁の目 の 手打ち蕎麦処・草太 [ 仙台市郊外 ]
東根そば 小盛 ( 税込 810円 )
香り | ★☆☆ |
太さ | ★★☆ |
出汁 | 鰹香る甘め、薄色 |
辛汁の量 | 徳利に適量 |
蕎麦湯 | 茹で湯 |
薬味・小鉢など | 白菜漬、ネギ*1、 ワサビ |
粉の産地 | 山形県東根産、 階上早生 + でわかおり のブレンド |
製粉 | 店内石臼、
外皮除き甘皮残して製粉 |
割合 | 不明( 二八? 九一?) |
製麺 | 店内打ち場で手打ち |
正真正銘手打ちである事を主張する太さの揃わない麺、薄いグレーにホシが入り混じっている。啜りながら噛んで蕎麦の旨味を実感するタイプの蕎麦だ。 ならば 辛汁 は 醤油感濃厚な塩辛いものだろうと思いきや、鰹が強目に香る色薄めで甘め、蕎麦 と 辛汁 の ハーモニーを味わうと言うのでは無く、辛汁が蕎麦自体の味を楽しむサポート役となっていて、ワサビを加えても何も変化する事がない、初めてのタイプだ。 中年男性の多い客層を踏まえ、見た目も実質も、健康面を考慮していなくもない感もある。
麺は 小盛 を頼んだがなかなか。小粋を気取る蕎麦屋の 大盛 位は 軽く超すかという ボリュームに惜しみないサービス精神を誇っている。では実際量目はいかほどかと ググると 大盛 が 500g、普通盛 が 300g。ならば 中盛 は 400g、小盛 は 200g と 単純計算出来る。小盛 のせいろが可愛いサイズと侮るなかれ、深さがしっかり( 写真参照 )している。いくら周囲に蕎麦屋が多いからと言って、ハシゴしようなんて甘い了見は諦めるべし、という感じ。
さて、店主は町内会の旅行で立ち寄った 山形 東根 の 蕎麦店「 草宿(くさどまり)」で、蕎麦の旨さに感銘を受け、農家を廃業して 1999年に弟子入り、2番弟子となった。3年間の修行を経て 自宅を改装 し、同店開業なのだが 「 草宿 」とは、どんな蕎麦店だったのだろう。
草宿 【 現在は閉店 】
山形東根のおばあちゃん達が打つ伝統的な蕎麦に魅了され、JAを定年前に退職して開業。 尾花沢市 玉野地区産 の そば粉 9割強 で打った柔らかめの太麺、やや乱切り気味の蕎麦が特徴だ。
郷土の伝統的な製法をイメージして主力商品を " 古代蕎麦 " と命名、一番人気の " 古代板そば " は 750円 で提供されていたようだ。 辛汁 も 本鰹・鯖・宗田鰹節を使いシンプルな出来栄え。甘汁 の 天ぷらそば(温)は 別盛り+ 別出しにして客の好みの食べ方を尊重していた。
* ちなみに、食べログ の 最終log は 2006年10月、他ブログで紹介されているのは 2009年 が最後となっていた。
〈 食べログ 草宿 〉
茶 | ほうじ茶、 店中央部に茶と水のポット有り |
他メニュー一例 | 天ぷらそば( 小盛 1,660円、普通盛 1,770円、中盛 2,030円、大盛 3,070円 )、
東根そば( 普通盛 920円、中盛 1,180円、大盛 1,550円 )、 かけそば( 小盛 810円、普通盛 920円、大盛 1,180円 )、 天丼( 小盛 750円、普通盛 1,100円 )、 そば団子汁( 小盛 650円、普通盛 1,100円 ※ 9/15〜4/15限定 )、 天ぷら盛合せ( 小盛 500円、普通盛 850円 )、 かき揚げ 500円、京ニシン 450円、身欠きニシン(焼)550円、 おにぎり(味噌・しそ・いなり)120円、 辛味大根 100円、とろろ 150円、辛汁と薬味のセット 100円 |
価格帯 | 100〜3,070 円 |
草太は仙台平野旧豪農の蕎麦屋
「 草宿 ( くさどまり )」で修行した 孝太郎さん の店だから「 草太 」と店名を命名されたのだろう。 国道4号線仙台バイパスからもさほど遠くなく、産業道路から少し入った場所、卸町団地 に立寄るビジネスマンも気になる立地にある。 暖かな晴天、1月半ばの平日 13:00 手前、玄関前に置かれた陶器のテーブルセットには、一見行列かと見紛う感じだがその逆、食後の一服を楽しむ方々が屯。店内は遠くからも連れ立って来たような背広組 や ブルーカラー、男性客がほとんどだった。
立地 | 住宅街、 県道23号線 : 仙台塩釜線 から少し北に入る |
店内外 | 昭和の農家の家屋敷を活かして店舗化 |
卓上 | 割箸、一味、メニュー |
座席数 | 4人卓8、カウンター4(全座卓) |
サービス | フロア女性2名、厨房4? |
BGM | なし |
店内には修行時代を伺わせる品々や額、そして意外にも野球選手のグッズが飾られている。何でも、昨今製麺を担当するようになった 二代目・直樹さん の所縁( 東北高校 → 帝京大学 → 七十七銀行野球部所属 )の品らしい。 一方、庭にある立派な 蔵 には 1年分の 玄蕎麦 が 徹底した温度・湿度管理の元、保存されているのだとか。ここから毎日、使う分だけの蕎麦を出し 電動式石臼 で 自家製粉 する。 余談だが、現在の蔵は 2代目、2011年3月11日の 東日本大震災 で初代蔵はほぼ全壊、翌月4月2日の営業再開以後に再建されたらしい。
旧六丁の目村の蕎麦屋
前述の通り店主の佐藤さんは、古くは 六丁の目村 と言われた里に 代々続く農家の8代目だったのだとか。 田畑や荒野ばかりだった 若林区 六丁の目 や 卸町 一帯は、昭和30年代後半 から 都市開発 が進められ、六丁の目 には 印刷団地、卸町 には 中央卸売市場 が 建設された。 職住近接 を 意図してか開発は進み、周辺の農地は宅地へと変貌していく。この町を鳥瞰してみると 生活道 や 大型の変形区画 が一部に残っているのが分かるが、それは区画整理事業からの除外に依るものではないだろうか。大きな農家が最後まで土地を譲らなかった、みたいな。
六丁の目 の町を東西に貫く 県道23号線 : 仙台塩釜線、通称「 産業道路 」は 卸売市場 や 印刷団地、仙台港・塩釜港 を結ぶ重要な 物流ルート と なっており交通量が激しい。 沿線には飲食店のみならず最近はショッピングセンターなども新規出店し賑やかさも増している。さらに昨年末( 2015年12月6日 )には「 仙台市営地下鉄 東西線 六丁の目駅 」が誕生した。 肩身の狭い環境に追いやられた農業だが、震災も追い打ちをかけた。六丁の目 の 南側、田畑しか無かった 旧荒井村 辺りの 再開発までもが始まったのだ。そして今やこの辺一帯は 被災者をはじめ他地域からの転入者への、住居供給拠点と誰にも認識されている。
追記 ; 祈念
代替わりされても、名店の味をいつまでも。 新聞みました、二代目の方頑張って下さい、応援しています。 *2
創業 | 2002年 4月 |
住所 | 宮城県仙台市若林区六丁の目中町13-25 |
Site | 〈 Facebook 〉 / 〈 草太_食べログ 〉 |
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