蕎麦之記

辛汁で、を基本に。

石臼挽き手打ちそば 葉菜

宮城黒川大衡村手打ち蕎麦処葉菜( はな )  仙台市近郊 ]  

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葉菜・そば

高遠そば ( 税込 1,000円 )





香り ☆☆☆
太さ ★★☆
出汁 オーソドックス
辛汁の量 猪口に適量だがもっとあっても
蕎麦湯 専用別作り?



薬味・小鉢など 漬物、高遠大根おろし(汁なし)、
ネギ、ワサビ、天かす



粉の産地 同郡大和町落合 & 大和町吉田産 に 北海道産をブレンド
地粉!地産地消
製粉 店内の石臼
割合 二八・四六
製麺 手打ち・機械打ち





蕎麦屋は、3つのタイプに分かれると思う。【 こだわり共感型 】、【 CSマーケティング型 】、【 誠実一途型 】。その中で同店は、【 CSマーケティング 】に当たるかな。さすが、元国営通信会社の関連会社幹部から脱サラして開業しただけある感じ。 様々な客層に対応出来るようメニューも価格帯も手打ち蕎麦屋の割に多彩。蕎麦の量が物足りなかった時のために頼んだ『 葉菜おにぎり ( 280円 )』 が入らなくなったので、持ち帰りしたいとダメ元で願い出たところ快諾され、早速食品トレーと輪ゴム、レジ袋が出てきたという具合だった。





蕎麦の作付面積県内一位の市町村に隣接

蕎麦の作付面積で宮城県内 1位 を誇る 黒川郡大和町。ならば郡内には地粉を使う 地産地消蕎麦屋 もあるだろうと踏んで探索した 1軒が同店だ。





品種は何だろう キタワセソバ信濃1号? 麺は、手打ち機械打ち も ホシは無し、とても旨いが香りはあまりしない。コシ について、二八の手打ち は写真の見た目と違ってもっと太打ちだと記憶してしまう程しっかり噛みしめるのが好きな方は大喜びだろうという感じで、四六の機械打ち ( 自家製蕎麦 )は細く思う存分音を立てて啜りたくなりそうな印象だった。麺の量目はさすがたっぷりで食べ応えがあり、前述の通り 大盛り を注文しなくても、おかげさまで満腹になった。 辛汁 は香りなく塩辛くなく至ってシンプル。ワサビとネギと麺とのバランスもキチンと考慮されている。





葉菜・そば





すぐ近くの畑を借りて、自家栽培 している大根での「 高遠大根おろし 」も、全部を使う方はいなかろうにというほど ふんだんに 供される( Lサイズ卵大 )。ケチケチして無くて気分がいい。 つゆに少しずつ足して食べたのだが、啜ろうとすると 爽やかな辛さ に思わずむせてしまった( 辛い大根おろしは大好きだがそれにも増してなかなかスパイシー )。 いかんいかん、大根の辛さの良さと麺のコシを楽しみながら、よく噛んで食べなければ。





葉菜





高遠そば は 本来、辛味大根おろしの " 絞り汁に " 好みで醤油を足し、それを 辛汁 代わりにして食べる蕎麦のようだ。 しかし同店ではそうしていない、そりゃそうだ。*1  主役として大増量された薬味的役割のものについてそうネーミングしていると推察するが、それは大根の品種が高遠そば発祥に由来する土地の原産だからだろうか、原材料が収穫できなくなると普通の辛味大根に変わるからなのか。アサギ大根系か、秋蒔きの大根か、ちょっと興味が湧く。*2





葉菜・そば





天かすは 蕎麦湯 の最後に落としてみようかと思ったが食べてる間につゆが大根おろしに引っ張られてどんどん減り、残念ながら楽しむことは出来なかった。( 給仕は皆忙しそうにしてるし食べ終わった後で今更辛汁の追加を頼む勇気は無かった。) 蕎麦湯 には香りがしっかりあったので、茹で湯とは別に作っているんじゃないかな。





参考までに、大盛りの値段機械打ちと手打ち、冷・温で、それぞれ違った。 4種の麺を用意しているってことかな、量目かな、さすが繁盛店。キチンとしてる、すごいな。

手打ち冷350円、手打ち温170円、機械打ち冷170円、機械打ち温110円





葉菜・冷やしたぬきそば . 葉菜・打場





茶  蕎麦茶も水も飲み放題、店中央部に配置


他メニュー一例 自家製そば 冷やしたぬき 990円( 写真。お得感半端ない✨ )、
手打ち天ざる 1,580円、手打ち鴨南ざる 1,320円、
手打ち冷とろそば 1,140円、自家製花そば 730円、自家製月見そば 730円、
自家製カレー南蛮 990円 、鍋焼きうどん 1,060円、
( いずれも、そば・うどん選択可 )
鉄火丼 1,100円、鮪山かけ丼 1,250円、天丼 1,180円、おにぎり 1コ 180円、
( セットメニュー等も多数も有 )


価格帯 650〜1,400円





国道 4号線を仙台方面から下り、国道 475号線との分岐手前、右手にある特大の GS を過ぎた左手に 同店の誘導看板 がある。この看板、何度か目にしていたのだが、「 薬莱 」( やくらい )に見えていた。  大衡村 でなぜ 薬莱( 宮城県加美郡加美町、旧小野田町の 薬莱山 )かと不思議に思っていたが、【 葉菜 】( はな )でした、全然違った。 ちょっと検索してみれば、たくさんの方々がブログで取り上げているし、昼時は平日でも店頭に 行列 が出来るし、休日は営業時間内は 常に駐車場が一杯、失礼しました。





立地 国道ロードサイド( 国道 457号線 )
店内外 現代的中型和食店
卓上 割箸、一味、醤油
座席数 テーブル 20席強、小上がり 20席強
サービス ホスピタリティーはないが十分
BGM 手製っぽい大きなスピーカーはあったが
店主の趣味か?不使用?





葉菜・石臼

葉菜・店頭・待合スペース

葉菜・おにぎり

葉菜おにぎり





伺ったのは、祝日土曜日の開店間もない 11:30頃だが、半分以上の席は埋まっていた。12:00前には満席になり、あれよあれよという間にあの長〜い外の 待合席( 写真 )もいっぱいになった。ブルーカラー・会社のジャンパーを着ている男性組やら、蕎麦好きとみられる夫婦、大家族など、客層は多岐 にわたる。ちなみに車は、宮城ナンバーが 以外 が大半。 そして最後に、同店への道中大衡村の田園からは、七ツ森や 達居森薬萊山 が良く見える。 蕎麦や米、野菜類など豊穣の恵みはこれらから得られていることがしっかり伝わって来た。


【 葉菜・余談 】

同店に玄そばを供給している地元 JA あさひな では、栽培技術も、保存性能も、製粉技術も年々向上しているとのこと。挽き方も好みに合わせて注文できるのだそうだ。 〈 JA あさひな 特産 そば 〉





創業 2000年





住所 宮城県黒川郡大衡村大衡字大童21-9
Site 〈 葉菜_食べログ 〉





河北新報関連のサイトにある取材情報を前情報として参考にし訪問。





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*1:どこかの郷土料理的な蕎麦を提供する店ではない、ロードサイドの万人を客層にしているから当然だ。

*2:ちなみに、高遠そばの元祖でなく本家信州伊那では、焼き味噌 + 辛味大根おろし汁 + めんつゆ = 辛汁 であるらしい。